「資格試験。長文」
5月10日音源提出締め切り。
緊急事態宣言真っ最中にもかかわらず、
6名の生徒さんたちが(長女含)沢井の資格試験を受験し全員合格した。
当教室では過去最多の受験者数。
先週、続々と結果報告が届いた。
これまで多くの生徒さんたちが受験し、
都度多くの感動をいただいたが、今回はまた違った感動でした。
たとえ初級でも、受けるまでの道のりは、
皆さん非常に長い、そして大変な苦労をしている。
過去に経験があり久々に箏復活すべく習いにくる方たちも多い。
それまでの弾き方等をかえることもあるし、
癖があれば直すこともある。
何年かするとモチベーションがグッと上がる人もいる。
モチベーションアップの1つとして沢井箏曲院に入会する方も出てくる。
さらにまた何年かたち資格にチャレンジしてみよう!という方も出てくる。
教室をスタートして、3,4年の頃、
教室で最初の初級受験者が誕生した。
その方は、ご結婚に伴い、かなり遠くへ転勤し、その後は辞めてしまったけれど。
受けるとなると、過去に弾いた曲を徹底的に見直すことも多い。
簡単だと思っていた曲も、いざ録音目的に弾くと、思うように弾けない。
なぜなら、ミスは許されない。
テンポの乱れも許されない。
押し手の不安定さも許されない。
そういったいろんな制限がのしかかるのだ。
もちろん、許されないわけではなくて、
なるべくそういったことを無くす・・・・
それでいいのだけど、
一曲を弾くことが、こんなにも大変で、集中しなければいけなくて、
そして、緊張することなのか・・・・と。
その過程で落ち込むこともある。
そういう経験をするわけなので、
やはり、力の付き方は、相当なものがあるのだ。
そして、その後の取り組み方に変化が起きるのはもちろんだけど、
音楽へ対する考え方、演奏に対する考え方ににも変化が起きているだろうと思う。
さて、今回は自粛期間と重なっていたので、
これまでと違ったアプローチで受験する人も多かった。
オンラインレッスンを受ける。
録音した音源を私に送る。
それをチェックして細かくアドバイス。
その繰り返し。
いよいよ締め切り間近、提出用の準備。
複数候補があると、何度聞いても、
どれを出そうか非常に迷う。
ほんの一音、ほんの数小節、ほんの一行で、ものすごく迷う。
最終的には何を優先するかで選ぶ。
と同時に、今後は、いざ録音するとしても課題曲は苦労なく録音できる!
そんな力をつけてもらうように指導しないといけない、
と、指導者としては気を引き締めるのだ。
試験や録音にむけてだけの練習やレッスンでは十分ではないことを実感するのだ。
結局は日頃の取り組み。
それが全て出るのが録音。
受かってからの反応は生徒さんそれぞれ実に異なる。
受かるかどうかものすごく心配していた人は、とにかくホッとしている。
合格したとはいえ、結果に満足しきれない人もいるだろう。
結果を励みにして次にすすむ人もいるだろう。
そして、私は「資格」というものは一体何なのだろうと、また考える。
伝統的な箏という世界での昔ながらのしくみの1つであることは間違いない。
ただ、それだけで受ける受けないを決めるのはあまりにも受動的だ。
指導者としては、それが本当にその人に役立つのか、意味があるのか、
しっかり考える必要がある。
資格をとるメリットってなんですか?と聞かれた時、
自信を持って応えられるのか。
いつも考えている。
さて、今回も仙台の親師匠に承認手続きのお便りをした。
お返事がすぐ届いた。
添えてくださるお便りがいつも本当に嬉しい💖
そういえば、私は、仙台の師匠から、沢井への入会や、
資格試験の受験を迫られたことは一度も無かった。
自分で必要だと思った時に入会し受験をした。
自分の気持ちが満を持するまで待ってくれた先生には本当に感謝している。