アメリカから単発のレッスンを初めて受けにいらしてくださいました。
Kさん。
少し前にメールでご連絡をいただきました。
同じ生田流。
他の会で師範までおとりの方。
効率的に指を動かせるように・・演奏をレベルアップさせたい・・・・
このところ箏の演奏に煮詰まっていて・・・というお話。
沢井作品を弾く上でのポイントも探してらっしゃるごようす。
以前から、螺鈿隊の私の演奏を気に入ってくださっていて、
一度レッスンをうけてみたい・・・
だなんて・・・・・・・・お世辞とはわかりつつ(^^)
感激。
体験レッスンには、私の演奏がどうこう・・・ということで
受けにいらっしゃる方はほとんどいません。
そもそも、箏の先生の技術、能力の違いということをはじめから気にされて
いらっしゃる方はいないでしょう。
特に初心者の方はそれで当然。
そもそも何事、技術や能力が高い=良い指導ができるというわけでもないので
指導者に求めるものは、人によって違いますし、
何でも良いわけですが・・・・。
今回、こうして、ご経験者の方に、何かしらお役に立てそうな
機会をいただけたことは、本当に嬉しいこと。
初ご対面。
はつらつとしたきれいな方。
お子様達と一緒に一時帰国中とのこと。
二つの変奏曲の「さくら」の一部や
「鳥のように」。
私がご指導する必要なんてないくらい、
とっても良く弾けています!!
沢井の方ではないのですが、
沢井の音に近づけようと独学で勉強、努力なさっている様子がひしひしと伝わってきました。
曲もしっかり歌うように、音楽として表現なさっています。
ちょこちょことアドバイスする程度でしたが、
お役に立てれば嬉しいです。
ところで、沢井というと、
なんとなく、パワー!!という印象が強いかもしれません。
音が強く、
タッチも激しく、
でも私は最近そういうことではないな・・・・と思っています。(そりゃ、もともとそういうことだけではないです・・・・汗)
大きな音で弾き続けるためには、
手がしなやかに動かなければ
持ちません。
しかも、手に力が入りすぎていては大きな音がでないばかりか、
手も早く動かないし、
まして持続できません。
大きな音を出す=力いっぱい弾くということではなく
(もちろん、最初の意識としてはこれが一番大事ですが)
とにかく効率よく体の力を手に行き届かせる・・・・
ということ。
なんだかまたわからない方向に進みそうですが、
沢井の曲を弾く=力任せに弾くとうことではないとうこと。
と、いつも力任せの自分が言えることではないのですが。
でも、力任せでもなんでもいいから、強いタッチで弾くことから
全てははじまる・・・・のだと思います。
忠夫先生や一恵先生が切り開いた音楽の世界。
そこから、さらに新しい音楽をうみだしている比河流先生。
この世界観を作るために、
どれほどの努力と試練、ご苦労がおありだったのだろうと。
それまでの箏の「音」「音楽」から、沢井の箏を生み出した力。
弾き方、タッチ、音量・・・
私には師匠がましたし、
すでに物心ついた時には沢井の音楽、作品があったので、
そこについていくばかりだったのですが・・・・
自分でうみだしていく・・・ということ。
奇跡なのだと思います。
あたりまえのように、楽譜を買って、
当たり前のように譜読みをして練習して、
曲には楽譜があって、場合よっては音源もあって・・・・
それが当然と思って弾こうとしてしまうけど、
この一曲の重み・・・・
もっともっと感じて一生懸命弾いていくというのが、
せめて、私たちができること
なんだと思います。