真鍋尚之 笙 リサイタルへ行きました。
ゲストの方はやはり笙の方でしたが、
その方とは一曲だけ。
他は全てソロ。
なんともいえない幻想的な音。
楽器から離れた音が空中を漂い、また自分に戻ってくるような・・・・
天から降ってくるような・・・・音に包まれるというのはこういうことなのかな・・・。
ホールの響や雰囲気とあわさり、
とても神秘的で高尚な音楽・・・・
という一面を十分に提示しつつ、
これぞ真鍋さん!!
真鍋さんワールド全開!!
超絶技巧が溢れ、
ユニークなリズムに溢れ、
情熱的な息遣いに溢れ、
期待通りの、いや、期待以上の真鍋さんワールドを繰り広げていました。
「音は間違えても
決して音楽は間違えなかった
と今回も同じ事を言う事になるのでしょうが
もしかしたら私の人生でこれほど練習した1ヶ月は無かったかも知れません。
本当に舞台に立てるかどうか、不安でどうにもならなかったこの1週間でした。いや、本番の40分前まで続けた練習でもそれは消え去りませんでした。
ここまで苦しい演奏は今まで全くなかった。
(それなりに毎回苦しいのですが。)」
と記事にあげてらっしゃいました。
文章ももっと長く続きます。一部引用いたしました。
どれほど苦しかっただろう。
楽器に限界をつくらず、
自らで可能性をどんどん広げる努力を
ずっと続けてきた人。
作曲についても、一切の妥協なく、
緻密に、それでいて、大胆で、他にはない曲をつくる。
螺鈿隊でも彼の曲を演奏させていただいたとき、
ほんとうに難しく、最初は、いったいこれが曲になるのだろうか・・・・
なんどもリハを重ね、自主練を重ね・・・
ステージで演奏したものをあとから聞いた時、
初めて、
お〜〜〜〜〜こんなことになってたんだ!!
箏演奏の醍醐味を味わった曲でもありました。
このリサイタル、全ての曲の作曲家が客席にいらっしゃいました。
ご自分の曲を聞く・・・・・というのはどんな心持ちなのだろうとよく考えます。
作曲家の方達は口をそろえて
ご自分が想像していた以上に曲を理解して表現してくれたこと、
真鍋さんが期待以上の演奏をしてくれたこと、
とても嬉しいコメントを寄せてらっしゃいました。
いや〜〜〜〜すごいです。
客席でみていた自分としては、
とても超絶技巧に苦しんでいるようには見えず、
落ち着いて、自信をもって、楽しそうに演奏している真鍋さんにしか見えませんでした。
同世代の演奏家。
でも、もう20年以上前から、
今の私よりもずっとずっと音楽というものに
厳しくも、深い愛情をもって接している方。
本当に尊敬する演奏家、作曲家であります。
ちょっと変わってるけど・・・・笑。
そこがアーテイストの大事なところですもの!!