沢井の秋の音源審査にむけ数名の録音が続いています。
音源審査というのは
資格試験のことです。
沢井箏曲院の資格制度は
初級、中級、上級 がまず最初の資格。
これらは課題曲を一曲フルバージョンで録音して本部に提出して
審査員の先生方に聞いて審査していただくというもの。
そのあとは、指導できる資格の講師。
その上にもいくつかあります。
講師試験は録音審査ではなく、
実際に試験会場に行き、
そこで、演奏の他に、ソルフェージュや学科試験を受けます。
演奏も、課題曲、自由曲、古典曲、三味線・・・4曲の演奏を先生方の前で披露します。
とても大掛かりな試験であります。
当教室では講師試験まで今後受験する人がでるかどうかは
未知数ですが、(今の所はいません)
録音審査というのは、もちろん、そこへ向けての第一歩でもあるわけで、
まったく無関係ということではないわけです。
なんて言って・・・・
生徒さんたちに講師の資格をとりましょう!!と
促しているわけでは全くありません、笑。
講師の資格は本当にとるべきなのか、
とったとして、その人に本当に役に立つのか・・・
そこをしっかり考えないといけないと思っています。
さて、教室からは初めて子供(といっても中学生ですが)が挑戦。
今まで自分の子供の録音しかしたことがないので、
なんとなくいつもと勝手が違い、試行錯誤。
コンサートでも弾いたり、
勉強会でも弾いてもらった曲ですが、
いざ録音となると、詰めが甘かった部分が多々見えてきて、
今回は受験を見送った方がいいかもしれないという思いもよぎりつつ。
でも、せっかくここまで弾けるようになったのだから、
今回受けてもらいたい・・・という気持ちもあり、
私はなんとなく優柔不断な状況でした。
が・・・本人は、とにかく今回受けたい!!
という気持ち変わらず!!
中学生に背中を押される形で録音!!
予定していた録音日には、最後まで弾ききれた物が1つもとれず、
延期することに。
5日後にもう一度トライするも微妙なかんじでした。
「これを提出してもいいけど、一応もう一回トライしてみる?」と聞くと
「明日きてもいいですか?」とのこと!
「それじゃ、明日最後の枠空いてるから、そこでもう一度撮ってみよう。」
再び録音。3度目の正直??
前日より少しよくなったものを1つ撮れました。
トータルで40テイク以上はしているなあ〜〜。
完成度がどうこうではなく、
この一週間の成長はすごかったし、
六段・・・という古典曲を、
最初はノリも、雰囲気もなかなか理解できず、
テクニックもまだまだったのが、気づくと、
少しづつ古典らしくなってきていたり。
音量も確実に上がってきたり。
なにより真剣味が日に日に増していくのが目に見えてわかりました。
本当ならいよいよ反抗期。(きっと家では反抗もしているはず)
もしかしたら中学生になったらやめてしまうかもしれないな・・・・
という不安もゼロではなかったのですが、
今の所、その心配はなさそうです!!
親御さんが、とにかく、ビシビシと音楽の厳しさを(楽しさだけではなく)
小さな頃から伝えてらっしゃいました。
バイオリンという大変な楽器を幼い頃から専門で続けている彼。
その傍で箏も続けています。
海外に行くときもバイオリンを持って、
練習をしない日は作らないようにしている彼。
箏のレッスンの後もバイオリンのレッスンにいったり、
カラオケボックスでバイオリンの練習をするんです・・・
と楽器を持ってくる彼。
バイオリンのコンクール、発表会だけでも、年に何度もなんどもやってくるのに、
箏教室の勉強会にも毎回、参加する彼。
昨年は、小学校の卒業式が終わった足でかけつけて、参加してくれました!!
それには本当に驚いた!!
本人の努力はもちろんですが、
なんといっても親御さんの理解と努力に頭が下がります。
話は戻りまして、
この曲を選んで徹底的に1年近く弾き続けてもらってよかったなあ。
自分の子供以外には、どうにもちょっと甘めに、
優しく接してしまう私ですが、
中には、ちょいと厳しく対応できる生徒も出てきたのが最近の嬉しいこと。
それにしても、子供の精神力には、いつも驚かされます。
私もその力欲しい!笑。
写真左は、初回の録音。右は昨夜の録音。
後ろ姿からも真剣味の違いも伝わってきました。